インド ラダックツーリングのススメ
平成最後の夏、僕はインド北部、ラダック地方へ旅立った。
いくつもの4000m ~ 5000m級の峠を越える
インド屈指のツーリングルートの存在を知ってしまったからである。
ラダックの主要都市であるLehには飛行機でも行けるのだが、それでは面白くない。
僕はレーへ、古くから存在しているルートを使ってバイクで向かうことにした。
インド国内、海外から集まったバイク乗り達と駆け抜けた10日間は、
今でも強く心に焼き付いている。
・Manali~Leh Routeとは
そもそもラダック地方はインド北部のジャンムー・カシミール州に位置する山岳地帯である。Manali~Leh Routeはラダック地方へと向かう唯一の道路で、その道は主要都市であるLehへと至る。
インドでは人気のルートのようで、実際にツーリングを楽しむ多くのインド人を見かけた。
日本でいう北海道のような存在のようだ。
ルートの途中にはRontang Pass(3978M)、
Darcha(3400M)、Bara Lacha-La(4850M)がある。
これらは全て実際の標高だ。
・Manali~Lehルートの魅力とは?
・多彩に変化する風景
マナリは降水の多い地域である。特に夏場は天候が悪いことが多く、
ふと油断すると滝のような雨が降ってくる。
そんな緑多い地域をスタートに、Rontang Passを越えると急に乾燥地帯へと変化し、
山肌の色はより濃い赤色へと変化していく。
道中どこを切り取っても絵になる道である。
・圧倒的なスケール感
富士山よりも高い標高の峠越え、標高4200mにあるツーリストキャンプ…。
想像するだけでワクワクしないだろうか。
・ダート走行を存分に楽しめる!
所々舗装はされているものの、まだまだダートも多く残っている。
人によっては、この道を延々とトラックやバスで走っていくのだから恐ろしい。
(バイクを勧める理由のひとつ)
道ではない箇所もあり、ヒマラヤの雪解け水に流されそうになる貴重な経験が出来る。
・ツーリングルート
マナリーレールートは約300km弱の道のりである。
日本の感覚で言えば、日帰り距離であるが、道路状況はかなり悪い。
2~3日程度を想定するのが賢明であろう。
また、世界最高峰の峠と言われるカルドゥン・ラ(5600m)を走るだけなら、
レーまで飛行機で行き、レーをベースにツーリングするのも可能だ。
ラダック地方の情報はいくつかのサイトで紹介されているので参照してほしい。
可能なら、マナリーレー間は是非走ってみてほしい。
苦労していく価値は十分ある魅力あるルートだ。
・マナリー〜レールートを走るには
方法はいくつかあるが、現地旅行会社を利用するのが最もオススメである。
また、ラダック地域やその周辺を旅行する場合、
ILP(インナーラインパーミット)が必要となることに注意してほしい。
僕が今回利用した旅行会社では、バイクのレンタル費用、ガイド、宿代、ILPなどの取得費用も含めて、10日間で7~8万円であった。
①日本の旅行会社を通じて手配する
最も安心感があって楽なのは、日本の旅行会社を通じてツアーを申し込む方法だ。
全て日本語でやり取りでき、日本語ガイドがつくのが魅力。
しかし、旅行代金がどうしても高くなる&日程が限られるのが欠点である。
海外ツーリングに特化した旅行会社としては、以下が有名どころだろうか。
・海外ツーリングの道祖神(https://www.biketour.jp)
2019年もラダック地方へのツアーが開催されるようだ。
その費用は航空券等も込みで43.9~47.9万円とのこと。
→https://www.biketour.jp/tour/00043-india/
・クルーズインターナショナル(http://www.cruze.co.jp)
②現地の旅行会社を利用する
個人的に最もオススメしたい方法である。
ネットで「ladakh motorcycle tour」などのワードで検索する。
ホームページの雰囲気から信頼出来るか見極めよう。
英語での情報サイトは日本語サイトよりも圧倒的に多い。
後はgoogle翻訳片手に予約をするだけ!笑
今回の旅で利用した旅行会社がこちら↓
RIDE OF MY LIFE(http://www.rideofmylife.in)
メールで問い合わせてもすぐに返信があり、ツアー前の情報提供も的確で、
信頼出来る旅行会社であった。
インドやチベット地域の海外ツーリングを考えている人全ての人に勧めたい。
ツーリング時も列に並んでというスタイルではなく、
好きなタイミングで停車することが出来た。
先頭と最後にサポートライダーがつき、
休憩のタイミングで合流するスタイルである。
自分のペースで走りたいタイプでも、満足できる内容であった。
また、サポートカーがつくためパンク等のトラブル時は全て対応してもらえる。
インドのレンタルバイクは車両の状態があまり良くないため、
安心して楽しむことができる。
実際、同じツアー参加者の借りたバイクのメインハーネスが燃えましたw
③全て自分一人で準備する
冒険を楽しみたいライダーが選ぶ方法だ。
マナリやレーでバイクをレンタルするor現地のバイク屋でバイクを購入し、
ツーリングを楽しみ、ツーリング後売却するなどの方法がある。
〜注意点〜
・インドのバイクはナンバーによって走れる地域が限られる
インドには謎のルールがあり、マナリで借りたバイクでレーまで行き、
そこからパンゴンツォ湖に行くことは出来ない。
レーでバイクを借りなおすか、レー以降はバス等で楽しむことになる。
実際に今回参加したツアーでも、レーでバイクをレンタルし直していた。
日本の感覚ではツーリング出来ないことに注意してほしい。
・ILPの取得
マナリ〜レールート、およびパンゴンやカルドゥンラ方面には、
ILPと呼ばれる通行許可証が必要となる。
・Tips
インド旅行の際に、特に必要となるTipsについて紹介する。困った際、参考にしてほしい。
①国際免許証について
インドは日本とジュネーブ条約を結んでいるため、日本の免許でツーリングを楽しむことが出来る。国際免許の取得に際して試験があるわけではなく、居住地の運転免許センターで申請するだけだ。写真と合わせて申請すれば、すぐに発行してもらえる。
②インドビザの取得
日本人は多くの国でビザが必要ない場合が多いが、インド入国の際にはビザが必要となる。インターネット申請からも申請が可能で、申し込み後メールで査証が届く。それを印刷して持っていけば良い。
↓僕は以下のサイトを参考にビザを取得した。
インド eツーリストビザ オンライン申請、
取得方法 パーフェクトガイド【2019最新版】
(https://5star-traveler.com/india-evisa)
・申請用写真の背景は白の指定となっているが、明るい色であれば問題ない。
(僕は就活の写真を利用した。)
・e-tourist visaでもILPの取得に問題はない。オンラインで済むため、こちらがオススメだ。
③現地旅行会社への送金方法
今回利用したRIDE OF MY LIFEという旅行会社では、事前にインドの口座への振込が求められた。日本の銀行を通してでも可能だが、手数料が驚くほど高い。そこで便利なのが以下のサービスである。
TransferWise(https://transferwise.com/jp)
TransferWiseは各国の現地に口座を持っており、日本の口座に振り込むと、それを確認したTransferWise側が間接的にインドの口座に振り込んでくれる。手数料も数百円で、便利なサービスだ。利用の際に住所確認が必要で、利用に少々日時を要することに注意してほしい。
④Manaliへの到達
マナリへ向かうのに一番楽な方法は、最寄りのKulluの空港までデリーから飛行機で行き、Kulluからタクシーでマナリに向かう方法である。デリー〜Kullu間はAir Indiaが就航している(日にもよるが、Rs15000程度)。
しかし、注意してほしいのは夏季のManaliは非常に天候が悪く、Kullu行きのフライトがキャンセルされる可能性が高いことである。2018年は豪雨により、8月のお盆時期はほとんどキャンセルされていた…。以下に代替手段を紹介する。
・Delhi~Manali間をバスで移動する
市内のバスの停留所からマナリへ向かうことが出来る。Rs2000~3000ほど。体力は消耗するが、圧倒的に安い。実際に今回一緒になったインド人はバスを利用していた。
・Delhi~Manali間をタクシーで移動する
Delhi空港内にいくつかのタクシー会社の案内所があり、空港からマナリへ向かうことが出来る。距離を考えれば非常に安く、外国人であればRs15000~20000ほど。所用時間は12時間以上かかるようである。
・【最終手段】Dharamsalaへ飛行機で移動し、タクシーでマナリまで移動する
僕の場合、休みの都合でツアー当日にマナリへ向かう予定であったが、飛行機がキャンセルとなり、どうしてもその日中にマナリへ向かう必要があった。急遽ツアー会社から提案されたのがこの方法である。
ダラムサラからマナリへは山を経由するため、8~9時間ほどかかる。タクシーでRs15000+ガソリン代。200km以上の長距離となるため、確実にタクシーを利用できるかは運転手の気分次第。この方法しか選択肢がなかったため、送ってくれた運転手には感謝している。
⑤SIMカード
現地で苦労しない為に、事前にSIM2flyを購入した。Amazonで購入できる。
※ラダックでは利用できないことに注意。
ラダック地方へAirtelのみのようだ(2018年現在)
SIM2fly
⑥ラダック本
⑦日本語可の現地旅行会社
多くのサイトでも紹介されている有名な旅行会社がHidden Himalayaだ。
Hidden Himalaya(https://zanskar.jimdo.com)
日本人の上甲さんが手伝っている現地旅行会社だ。ラダック 地方への旅を考えている方には大きな力となってくれるであう。しかし、単独のバイク旅行で唐突に現地でILP等の等の相談に行くと、相手にしてもらえないようだ(友人談)。利用する場合は出発前に事前に相談しておこう。
・旅行記
私の日程では、
2018.8.12 日本出国
2018.8.13 マナリへの移動
2018.8.13~8.22 10日間のツアー
2018.8.22 インド出国
2018.8.23 飛行機delayにより香港泊
2018.8.24 帰国
であった。
旅行記は後日追加予定。
最後に
ラダックへの日本人の旅行者は少なく、情報は非常に少ない。
それだからこそ見れる景色がある。
ラダックはインターネットが普及した今でも、秘境としての魅力を残している。